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弁護士コラム Column

遺言の撤回?

2019年07月19日
名古屋新瑞橋事務所  弁護士 佐藤 康平

一度書いてしまった遺言は、撤回はできないのでしょうか。 

​​この点について、民法1022条には、「遺言者は、いつでも、遺言の方式に従って、その遺言の全部又は一部を撤回することができる。」と規定されており、また、民法1026条においては、「遺言者は、その遺言を撤回する権利を放棄することができない。」と規定されております。 

​​したがいまして、一度書いてしまった遺言でも、いつでもその全部又は一部を撤回することができる(むしろ、撤回できないようにすることはできない。)、ということになります。 

​​遺言の撤回の方法には2種類あり、1つは、上記民法1022条に規定されている、撤回遺言と呼ばれる方法です。 これは、前に記載した遺言を撤回する旨の遺言を新たに作成する方法です。 

​​この場合、その撤回遺言と同一の遺言により、新たな遺産の分配方法等を定めることもできます。 

​​次に、法定撤回と呼ばれるものがあります。これは、以下に記載する事実があった場合に、遺言の撤回を擬制(みなす)もので、以下の4つの類型があります。

​​1 抵触遺言 前に記載した遺言に抵触する内容の遺言が新たに作成された場合、抵触する部分について、前の遺言は撤回したものとみなされます。(民法1023条1項)

​​2 抵触行為 遺言者が、遺言の内容に抵触する行為を行った場合、抵触する部分について、前の遺言は撤回したものとみなされます。(民法1023条2項) 例えば、特定の不動産を譲渡する旨の遺言が作成されている場合に、その後、遺言者が当該不動産を売却した場合等が挙げられます。

​​3 遺言の破棄 遺言者が、遺言そのものを故意に破棄した場合には、遺言は撤回したものとみなされます。(民法1024条前段) ただし、公正証書遺言による方法で遺言を作成していた場合、遺言の原本は公証役場に保管されているため、当該方法による撤回は困難です。

​​4 遺贈の目的物の破棄 遺言者が、故意に遺贈の目的物を履きした場合も、遺言は撤回されたものとみなされます。(民法1024条後段) 以上のとおり、遺言は遺言者の生前はいつでも撤回することができ、その方法も複数あります。 

​​しかし、「抵触」とはどのようなことを指すのか等、難しい問題があるケースもあります。 遺言の撤回をお考えの方は、自らの意思が十分尊重される結果となるように、一度、弁護士に相談されることをお勧め致します。 

​​弊所に、ぜひお気軽にご相談頂ければと思います。
 

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